無愛想で糖度高めなカレの愛
続いてフランボワーズチョコについて話が移る中、美結ちゃんは私を横目で見てニンマリとしている。やっぱりバレているのか……。

頬杖をついて火照る頬を隠しながら、その後はしっかりと会議に集中した。



パッケージは、食べやすいように個包装にするものや、シンプルかつエレガントなロゴにして高級感を出すもの、女性が思わず手に取ってしまうような可愛らしいデザインのものなど、それぞれの商品に合ったコンセプトを大まかに決めた。

後はデザイン会社と話を詰めていくことになる。それが完成したら、今度は広報や営業と戦略を練らなければならない。


「新しく入った営業のコが今度挨拶しに来るそうよ。皆で結束して、勝ちにいきましょうね!」


会議の終盤、篠沢課長が嬉しそうに、俄然やる気をみなぎらせて言った。

そういえば、前美結ちゃんからやり手の営業マンが来るって聞いたっけ。

美結ちゃんと“例の人ね”と目を見合わせて納得し合い、いい人だといいなと願いながら、「はい」と返事をした。

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