無愛想で糖度高めなカレの愛
わざとらしいけど、なるべく当たり障りないような意味へとすり替えた。
唖然としていた室長も、“あ、そういう意味ね”と理解したように顔をほころばせる。「そうかそうか。仲が良いのはいいことだなぁ」と言い、のほほんと笑っていた。
密かにホッと胸を撫で下ろしつつ、まったく動揺していない夕浬くんを見やると、ほんの少しだけ口角がいたずらっぽく上がっている。
もしかして、私の反応を見て面白がっていた? くそぅ、してやられた……。
口の端をヒクヒクさせていると、斜め前の壁側から、テンション高めの声が聞こえてくる。
「手塚くん飲んでるぅ? 今日は無礼講なんだから、気遣わなくていいのよ~」
明らかに酔っ払っている篠沢課長が、恵次にしな垂れかかるようにして絡んでいる。
うわぁ、彼女お酒弱いくせにまた飲んじゃってるのね……。
今日は下ろしている長い黒髪が恵次の肩に掛かっているけれど、彼は何も気にしていないような笑顔で、手元のグラスを軽く持ち上げてみせた。
「いただいてますよ、ほら」
「あら、ウイスキー飲むなんて強いのね! 似合うわぁ」
うっとりしながら年甲斐もなくすり寄る篠沢課長は、もはやあっぱれ。迷惑そうな顔を少しも見せない恵次もすごいけど。
唖然としていた室長も、“あ、そういう意味ね”と理解したように顔をほころばせる。「そうかそうか。仲が良いのはいいことだなぁ」と言い、のほほんと笑っていた。
密かにホッと胸を撫で下ろしつつ、まったく動揺していない夕浬くんを見やると、ほんの少しだけ口角がいたずらっぽく上がっている。
もしかして、私の反応を見て面白がっていた? くそぅ、してやられた……。
口の端をヒクヒクさせていると、斜め前の壁側から、テンション高めの声が聞こえてくる。
「手塚くん飲んでるぅ? 今日は無礼講なんだから、気遣わなくていいのよ~」
明らかに酔っ払っている篠沢課長が、恵次にしな垂れかかるようにして絡んでいる。
うわぁ、彼女お酒弱いくせにまた飲んじゃってるのね……。
今日は下ろしている長い黒髪が恵次の肩に掛かっているけれど、彼は何も気にしていないような笑顔で、手元のグラスを軽く持ち上げてみせた。
「いただいてますよ、ほら」
「あら、ウイスキー飲むなんて強いのね! 似合うわぁ」
うっとりしながら年甲斐もなくすり寄る篠沢課長は、もはやあっぱれ。迷惑そうな顔を少しも見せない恵次もすごいけど。