月下美人の咲く夜を

自然と言葉を交わすようになり仲良くなったある日。

「須賀君っ!…好きなの!私を彼女にしてください!」

バイト帰りの深夜。

一緒に歩いた駅までの道のりで、

そんな告白を受けたのを今でもハッキリ憶えてる。

それは出会って数ヶ月、4月はじめのまだ肌寒い頃のこと。

俺を見上げる瞳はいつもに増して魅力的で。

淡く淡く彼女を『いいな』と思っていた俺の心には一気に恋が芽生えて育ち、虜になった。



これは、4年半前のこと。



その日から、咲月は俺の大事な人になったんだ。


自分でも驚くほど、最愛の人に。


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