月下美人の咲く夜を

それから咲月はその月下美人を、大切に大切に育て始めた。

わざわざ本を買ってきて、いつの間にか花屋のお姉さんとも仲良くなっていた。その成長に一喜一憂しながらまるで育児日記のようにノートに記録をつけていた。

その姿はとっても甲斐甲斐しくて、『きっといいママに成るだろう』ことを容易に想像させた。


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