月下美人の咲く夜を
「ただいま咲月。」
「おかえり、月人ー。ゴハン出来てるよー。」
俺がプレゼントしたデニムのシンプルなエプロンで迎えてくれる彼女。
テーブルに並ぶふたり分の温かい食事。
咲月は決して料理が得意な方ではなかったけど、一生懸命作ってくれる姿が可愛かった。
一緒に暮らすようになって一年を過ぎる頃には結構上達してて、上手におこげをつけた炊き込み御飯が俺も好きだった。
たまには一緒に作って作り方をおぼえていればよかったな。
そしたら今でもその思い出に触れられたのに。