月下美人の咲く夜を

仕事を終え、車に乗り込み街を走る。

窓を開けているとひやりとした秋の風が吹いていて、信号待ちの度ハンドルを握る手を冷やした。

見上げれば今夜の月はクッキリとその姿を現して輝いている。

それはなんだか未練がましい俺を笑っているように思えて………、知らないふりをして窓を閉めた。


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