月下美人の咲く夜を

アパートの駐車場に着き車を降りると、また月に見られている感覚を覚え空を見上げた。

「…………なんだよ。」

薄く苦笑いを浮かべてそう呟くと、ふわりと風に頬を撫でられた気がした。

そういえば、

あの日もこんな風に、

月が見ている気がしたんだった。


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