月下美人の咲く夜を
Ⅵ
それから数日残業が続き、ある日俺は、連日の疲れから帰宅してすぐに着替えもせずベッドに倒れこんでしまった。
薄れゆく意識の中で浮かんだのは…
やっぱり、君だよ。
「……咲月…………。」
どんなに時間が経っても、
誰に何を言われても君に会いたい。
とても会いたいんだ。
蕾もようやく膨らんだ。
月下美人の咲くその夜を……
君も何処かで待ってくれているだろうか。