月下美人の咲く夜を

気づくと既に朝日が昇り、素肌のまま眠っていた俺を照らしていた。

「……咲月?………咲月!咲月…っ!」


「…………?」

彼女がいたはずのベッドに残っていたのは、一枚の便箋と濃い花の香り。

「これ……は…………………っ!?」

読み終えるとそれは、ぼわりと柔らかい光に消え…

その代わりにひらひらと掌に舞い落ちたのは、一枚の花びらだった。


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