シャボン玉

そんなハルが今、俺の家の前で叫んでいる。
理由は俺が寝坊したから(笑)。

ネクタイのやり方がわかんねーんだよ。
実は今年から制服にネクタイが加わった。
だから今日が初めてするからやり方がよくわかんない…。

別にこんなの無くてもいいのに。

そんなこんなで、手にネクタイを持ったまま玄関を出た。

『やっと来た…。遅すぎる。一体何に時間かけてんの??』

家の前にいたハルは怒っていた。

『ネクタイが出来ねーんだよ。』

こんなこと言うの正直恥ずかしい。
ネクタイ巻く練習しとけばよかった。


『へ〜!なーんだそんなことか〜!やってあげるー!!』

え?って思った時にはもう俺の手にはネクタイがなく、首に巻いてあった。

『これでオッケーだね♪』
ハルは笑いながらそう言った。

ハルは笑うと左側のほっぺにえくぼができる。

ハルが笑うと俺も自然と笑う。昔からそうだった。

< 4 / 34 >

この作品をシェア

pagetop