シャボン玉
そんなハルが今、俺の家の前で叫んでいる。
理由は俺が寝坊したから(笑)。
ネクタイのやり方がわかんねーんだよ。
実は今年から制服にネクタイが加わった。
だから今日が初めてするからやり方がよくわかんない…。
別にこんなの無くてもいいのに。
そんなこんなで、手にネクタイを持ったまま玄関を出た。
『やっと来た…。遅すぎる。一体何に時間かけてんの??』
家の前にいたハルは怒っていた。
『ネクタイが出来ねーんだよ。』
こんなこと言うの正直恥ずかしい。
ネクタイ巻く練習しとけばよかった。
『へ〜!なーんだそんなことか〜!やってあげるー!!』
え?って思った時にはもう俺の手にはネクタイがなく、首に巻いてあった。
『これでオッケーだね♪』
ハルは笑いながらそう言った。
ハルは笑うと左側のほっぺにえくぼができる。
ハルが笑うと俺も自然と笑う。昔からそうだった。