シャボン玉
はぁ……。
陸部の俺が疲れるぐらい走ったんだからハルはもう来ないだろう(笑)。
てかここどこ?
住宅基地的なところに着いちゃったなぁ。
道が何本にも別れててどっちに行けばいいか全く分かんねーや。
『ついてねーな。』
ポツリとつい言ってしまった。
『ついてるよ!』
どこかから聞こえた。
俺の耳に間違えはない。
ハルだ。ハルの声だった。
『いたいたー!バカ夏希(笑)。』
ハルが笑いながら近づいてきた。
『なんで俺がこんなに走ったのに追いついてるの?』
『だってこの道、夏希は遠回りの道行ったけど近道っていうか…抜け道っていうか…。私の使った道だと夏希に追いつけるの。バカな夏希はそんなこと全く知らないだろうけど(笑)。』