愛よりも遠い距離



-ピンポーン-



今では懐かしい、普通の家よりも少し高い音色で鳴るこの家のインターホン。



それは、私から後にしたあの日と何にも変わっていない光景。



果たしてドアを……開けてくれるだろうか?



駐車場に車を確認したから部屋の中にいるのは間違い無い。



もしも、出てきてくれなかったとしたらそれが答えで……それを受け入れる心の準備もして来たつもり。



心というモノに準備という行為が出来るなら、の話ではあるけれど。



< 22 / 24 >

この作品をシェア

pagetop