愛よりも遠い距離
まだ半分乱れた私の衣服は、スカートだけはしっかりと両手で押さえつけているものの、上半身のブラウスのボタンは所々外され、きっと傍から見たら愛し合った後に見えるだろう。
何も考えず、その胸の中に飛び込み愛し合うことが出来たなら……どれだけ幸せだっただろう。
背の高い私。
それよりも更に大きな彼の背中がが少しだけ震えている。
彼の手を離してしまったのは私。
彼の全てを受け入れなかったのも私。
本当は……私の全部を捧げたかった。
……けれど。
「ごめんなさい」