ぼくらのストロベリーフィールズ
ボスは泣きながらその場を去り、准クンが倒れそうな僕を支えてくれた。
『あ、リーさんとゆーたさん。こんにちは!』
『おー准ちゃんじゃん。何? こいつお前の知り合い?』
聞くと、この2人組は不良チームに入っているらしい。
准クンもそのチームの下っ端と付き合いがあるようで、面識があるのだと。
どっと風が吹き込み、ざわざわと砂利道を囲む雑草が音をたてた。
見上げると何一つない空っぽの水色が一面に広がっていた。
『お前さ、何真面目にやられてんの? まじバカじゃね?』
そう言って、前髪をピン止めした男子が、僕ににやりとした笑顔を向けた。
『ま、俺バカなヤツ好きだし。今度、達也さんにも紹介すっぺ』
金髪の男子がそう言って、タバコをくわえ火をつけた。
2人のダラっと着崩したブレザーと、だぼだぼの腰パンが空気を含み風になびいている。
そこに、なぜか、自由のようなものを感じた。