ぼくらのストロベリーフィールズ



心臓の音が早くなり、恐怖のあまり息も荒くなる。


片手で口をおさえたまま、スマホを起動する。



すると、


――ブー、ブー、ブー



「ひっ……!」



ライン通知が入っていたのか振動を繰り返した。



やばい! 声が、音が……!



必死でスマホを握りしめ、振動が止まるのを待った。



私の部屋は2階で、階段は居間とつながっている。



階段から自分の部屋に戻り、音を出さないようゆっくりと窓を開けた。



まわりの家の人は寝静まっているだろう。



街灯以外の光はなく、風も吹いていない。


外には静かな夜が広がっていた。



私は下のアスファルトをのぞきこんだ。



1階からの音が本当に空き巣だったら、ここから飛び降りて逃げるしかないのだろうか。


高さは3メートルくらい。


骨折くらいですむ……よね……!?



しかし、明らかにさっきよりも大きい音が響き、びくっと体が震えた。



自分の足元がきしむ音以上に、

キィーー、と扉が開かれる、確かな音が耳に入った。



この音は――階段下の、居間だ!



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