ぼくらのストロベリーフィールズ
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入学して1週間がたち、少しずつ高校生活に慣れてきた。
適当に部活を見学してから家に帰ると、父の姿があった。
2週間の長い出張が終わったらしい。
「うわー。スーツケースの中ぐちゃぐちゃじゃん」
「ずっと行きっぱなしだったししょーがないべ? はい、お土産」
「やった! わー美味しそう」
お土産のチョコまんじゅうをほおばっていると、
母が面白くなさそうな表情をしていることに気がついた。
「はぁ。あんたが帰ってくるとすぐ家が汚くなる」
「後で片付ければいいだろ? 疲れたから少しはゆっくりしたいんだよ」
「洗濯は私のと分けて早めにやってよ。夜遅くなると苦情くるから」
どうして、頑張って仕事をしてきた父を、母は労わってあげないのだろう。
この家のローンや生活費はもちろん、母の高い化粧品代や洋服代も父の給料から支払われているのに。
「私が手伝うよ。お父さんは休んでて」
「いいよいいよ。のばらも宿題あるだろ?」
前よりも白髪の本数が増えた父は、疲れた笑顔を浮かべて私を2階へと追いやった。