ぼくらのストロベリーフィールズ
『ども尚紀です! 一吾、明日には学校来るって』
浮かない気持ちで自分の部屋で宿題をしていると、
スマホが振動し、尚紀くんから嬉しいお知らせが届いた。
『本当? 教えてくれてありがとう』
『今度3人でメシでも行こうよ』
『いいね^^ 行きたい!』
絶対にナズちゃんには言えないけど、
尚紀くんとライン交換したため、時々メッセージのやり取りをしていた。
もうすぐ一吾くんと再会できるんだ。
尚紀くんも見た目は怖そうだけど、いい人っぽくて良かった。
嬉しい鼓動を鳴らしながら、スマホを片手にベッドへ寝転がった。
1階では、父と母が言い争いを続けているらしく、扉越しに嫌なトーンの声が聞こえてくる。
……最近、母がやたら父にキツくあたるのは、きっとパート先かどこかに男ができたからだと思う。
やたらオシャレして出かけるし、帰りも夜遅いし。
もしかしたら父も地方に女がいるのかもしれないけど。
仕事はできるけど生活力が低い父と、人に厳しく自分に甘いところがある母。
年を重ねるごとに、もともとの性格のずれが、どんどん修復不可能な関係へと膨らんでしまったのだと思う。
離婚したらどうなるんだろう。
最近、リアルにそんなことを考えるようになった。