ぼくらのストロベリーフィールズ
6-2
☆
「なーんかのばらちゃんってズルいよねー。まわり男の子いっぱいで」
「え? そんなことないよ!」
「だってぇ、今朝もー吾くんたちのグループと一緒だったじゃーん」
「たまたまだって」
ナズちゃんは甘えたような口調ながらも、横目で私をにらんでいる。
母が出て行ってから私の昼食は、購買のパンになった。
今度、お弁当とか作ってみようかなーと思いながら、ナズちゃんたちとお昼を食べていると、急に私の話題になる。
しかも、あまり良くないやつ。
「まーまー。ね、今日マック行こうよー。のばらちゃんの恋バナ知りたいしー」
と友達の1人がナズちゃんをなだめてくれる。
この子はナズちゃん主催の合コンでできた彼氏とラブラブらしい。
もう1人の友達も、いいね~うちも聞きたーい、と同意する。
この子は合コンの男子とは別れたけど、別の男の子をナズちゃんに紹介してもらったらしい。
「確かにー。ナズ友達に隠しごとされるの嫌いだしー。のばらちゃん、いいよね?」
「ごめんっ、実はバイト始めちゃって。今日は無理」
手を合わせて目の前のナズちゃんに謝る。
しかし彼女はグロスたっぷりの唇を突き出し、私を見つめ続けた。