ぼくらのストロベリーフィールズ
「のばらちゃんって、うちらと一緒にいるの面倒?」
「ナズちゃんが悩んでるよ。のばらちゃんに友達だと思われてないかもーって」
放課後の掃除当番中。
ナズちゃんがいない場所で、友達2人に思いがけないことを言われてしまう。
「え、そうなの? どっちかというと私がナズちゃんに嫌われてる気するけど……」
というよりも、ナズちゃんの本心が見えない。
笑っていない目を向けられつつも、口調はいつも通り。
確かに一吾くんと一緒に住んでいる、という内緒事があるから私も上手く返せないことが多いんだけど。
「こんなこと言うのごめんだけど、もうちょっと自覚したら? のばらちゃん普通に可愛いし」
「はい!?」
「前にみんなで恋バナした時に、ナズちゃんが『中学の頃から好きな人は全部友達にとられてきたの……』って言って泣いてたから」
あれ? 私が聞いていた噂とは違うような気が……。
「ぶっちゃけ一吾くんと付き合ってるんでしょ?」
「付き合ってない! これは本当だよ! まぁ、仲は良いかもしれないけど。昔よく遊んでたし。今はバイトも一緒だし」
「ならいいんだけど……」
と言って、友達2人はため息をつきながら私の前から去った。