ぼくらのストロベリーフィールズ
7
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『あの、実は、ボクぅ、ここのママのファンでして。ドゥフフ』
店に入ろうとしている常連客に、オタクっぽさを装い状況を聞いている准クン。
何だその話し方は……、と思いつつもそのお客さんと意気投合していた。
母の店は普通のサラリーマンから謎のおじさんまで、幅広い層の客が来て日々にぎわっていた。
確かに母は美人で見た目も若い。
独立する前はキャバやクラブ、スナックまで幅広い店で働いていたし、水商売の実力はあるのだろう。
『どうだった?』
僕の部屋に准クンを呼び、状況を聞く。
『うーん。ほら、その彼氏ってやつがお客さんと仲良くて、ママさんのフォローもできてて、お店も順調みたいだって』
『そっかー』
『全然ボロ見せないようだねー。これから夜も家でずっと過ごしてみたら?』
『やだよ。同じ家の中で親がしょっちゅうやってんだよ? まじ萎えるから』
母と彼氏は特に変わりがなく一緒に生活しているようだけど、僕はあの赤紫のアザがずっと気になっていた。
僕たちは中学3年生になっていた。
『一吾はさー。高校どーすんの?』
准クンがどかっと僕の布団に寝転ぶ。
いつの間にか准クンは僕より背が高くなっていた。
僕は煙が部屋にたまらないよう窓を開け、タバコに火をつけた。
『まー母さんは行っていいって言ってるし、おれの成績で行けるとこ? 准クンは?』
そう聞くと、珍しく准クンがタバコを1本求めてきた。
久々に吸ったためか、ゲホゲホとせき込みながら煙を吐き出した。