ぼくらのストロベリーフィールズ
夜が明けてきて、風景は全てねずみ色に染まっていた。
『やべ、パンティー落としてきたわ。ユメナに怒られる……』
帰りは安全運転で地元まで戻った。
僕はさっきの達也さんの姿を思い出し、笑いを止めることができなかった。
『達也さん最高っす。まじウケたんすけど』
『しょーがねーべ? あ、もちろん誰にも言うなよ!』
『分かってますよ。あと、さっきの変なコール何だったんすか? ぶぉーんぶぉぶぉん、ってやつ』
『あーあれ? 細かすぎて伝わらないモノマネの野球ネタのやつ』
『……? 細かすぎてよく分かんないっす』
赤信号になり、バイクが止まる。
やっぱ俺もうおじさんかなぁー、という情けない声が聞こえた。