ぼくらのストロベリーフィールズ
☆
『邪魔すんなって言ったべ? このクソガキ! って。あいたたた!』
『何、ぐるぐる巻きの状態で暴れてるんすか』
入院先を訪れると、包帯とギブスに包まれた達也さんの姿があった。
早めに警察が来てくれたおかげで、達也さんはいくつかの骨折とケガで済んだ。
タバコ吸いてぇーとうるさかったので、僕もつきそうことに。
中庭の喫煙所で、松葉杖を置いた達也さんはまぶしそうに煙を吐き出した。
『達也さんこれからどーするんすか?』
『とりあえず退院したらすぐユメナのばーちゃん家に行くわ』
『そうですか。寂しいっすねー』
『なー』
緑色の葉っぱが風にのってガサガサと音を立てていた。
僕は自分がしたことが合っていたのか不安だったけど。
『一吾ちゃん、あんがとね。命拾いしたわ』
達也さんは、煙と一緒にそうつぶやいた。