ぼくらのストロベリーフィールズ



その日は店が休みのため、早めに勉強を切り上げた。



今日はこのまま早めに寝ようかなと、あくびをしながら家に向かった。



しかし――



2階のドアを開けた時に聞こえたのは、母の甲高い声だった。



それは母の寝室からひっきりなしに響いてきた。



玄関には母の彼氏の靴があった。



こんな時間からどんなプレイしてんだよ。



ちっ、と舌打ちをしながら、冷蔵庫の麦茶をコップに入れてから自分の部屋に入った。



イライラしつつも早く寝ようと横になったが。



違う。



かすかに聞こえる母の声に違和感を覚えた。


もっとっていう意味のいやじゃない。



本気で抵抗をしているような悲鳴だった。



再び舌打ちをしてから、僕は自分の部屋を出た。



以前見た、母の赤紫色のあざを鮮明に思い出したからだ。



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