ぼくらのストロベリーフィールズ
男の子たちの食スピードは速く、あっという間に鍋が空になった。
うどんも1分以内で全部なくなってしまった。
鍋を流しに下げてから、空になった缶やビンを袋に詰める。
「お前、一吾の嫁みたいだよなー」
ヒュウガくんが私を見てニヤニヤしていた。
「は? 何言ってんの!? てか酔っぱらいすぎだから!」
急に顔が熱くなってしまう私。
バシッとヒュウガくんの肩をたたいてから、ゴミ袋を結んだ。
一吾くんをチラ見すると、彼は尚紀くんとしゃべっていた。
ちょっとだけ、今の会話を2人に聞かれなくてよかったと安心してしまう。
1人だけシラフの状態の私は、洗い物に取りかかった。
鍋をこすっていると、後ろからの笑い声が少なくなっていた。
まじめな話をしているようだ。
「何話してるのー?」
洗い物を終えた私は、男子たちの輪に問いかけてみた。
「女子の話」
一吾くんはそう言って、お菓子の袋を開けた。
男子たちはみんなで顔を見合わせ、ニヤニヤしている。
まあ、どうせどのクラスの子がカワイイかとか、そんな話でしょ。
と思いきや。
「とりあえずここにいるみんな、のばらちゃんの味方だから」
と尚紀くんは言って、優しい笑顔を私に向けた。
え……? どういうこと?