ぼくらのストロベリーフィールズ


「お前いじめられてんだって? 大丈夫かよー」


「女のいじめって超怖ぇーじゃん。俺らでできることある?」


「鍋美味かったし、お礼しなきゃなんねーべ?」



酔っ払いの男子チームからそんな声が発される。



え……でもこれは私とナズちゃんたちの問題で……。



頭ではそう考えているのに、じわりと目に涙がたまってしまう。



「だ、大丈夫だよ。そう言ってもらえるだけで十分だって」



私は頑張って笑顔でそう返しておいた。


気持ちは嬉しいけど、心に少し緊張が走ってしまった。



すると、准くんが、


「あ、でもこういう時に男子がしゃしゃると逆に反感買うって。だから、上手くサポートするのがいいかもねー」


と冷静に口にした。



私が今、心配してしまったことを准くんはさらりと言い当てた。


やっぱり頭がよく回る子らしい。



「とりあえず、何かありそうだったらすぐ言って」



一吾くんは私を見据えて、そうつぶやいた。



「うん……」



なにこれ。


折れかけている心にしっかりした芯が通っていく。



クラス以外に居場所があるだけで、何でこんなにも安心するんだろう。



一吾くんのまわりにはいい友達が多いんだ。きっと。




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