ぼくらのストロベリーフィールズ
ナズちゃんがクラスで被害者ぶったため、他のクラスメイトからも嫌われたかと思いきや、意外とそうでもなかった。
ひそかにナズちゃんをうざがっている人は多いらしい。
しかし、私が教室を見まわすと、顔をそむける姿がいくつか視界に入った。
私をかばうと自分もターゲットになると恐れているんだろう。
体育の授業前の更衣室で、いつも通りナズちゃんグループはキャッキャと騒いでいた。
「ねーのばらちゃんもそう思うでしょー?」
少し離れたところで着替えていたのに、急に話を振られる。
「え。ごめん、聞いてなかった」
「うわーノリ悪っ!」
ナズちゃんがそう言い捨てると、友達2人も私をにらんだ。
急に更衣室内がピリピリしたムードになる。
慌てて他の女子たちは着替えを終わらせ、体育館へ向かっていった。
私は心臓をバクバクさせながら、
「ごめんね! ちょっと考えごとしてて。次から気をつけるね」
と申し訳なさそうに伝えた。
すると、彼女たちは調子に乗り始めたのか、
「何? どーせ男のことばっか考えてんでしょ?」「うちらのことなんて別にどーでもいいんだ~」
と上から目線で返してきた。
「違うよ! 私はみんなと仲良くしたい!」
他の女子たちはいなくなった。
ここには私とナズちゃんと友達2人だけ。