ぼくらのストロベリーフィールズ
☆
「うぇーい」
「うめぇー」
「かんぱーい」
再び一吾くんの家に男子たちが集まった。
かれこれ1週間くらい、私は何もされることなく毎日を過ごしている。
「あの、ありがとう。何かいろいろやってもらってばっかりで……」
得意料理になりつつあるカレーをみんなにふるまった。
炊飯器がないためご飯はレトルトだけど。
「うわぁ美味っ、これトマト入ってんの?」
「おかわりお願いしゃっす!」
お礼を言った私に構わず、男子たちはカレーをほおばっている。
「いいんじゃない? みんな楽しくやってたし」
戸惑う私に、尚紀くんが声をかけてくれた。
そして、料理上手くなった? という嬉しい言葉ももらえた。
「俺ら何気に探偵向いてんじゃね?」
「だってめちゃくちゃボロ出してくんだもーん」
あら……みんな本当に楽しんでたんだ。
でも、味方になってくれたことが嬉しくて、心強かった。
ただ、1つだけ気になっていたのは。
あのナズちゃんがこのまま引き下がるわけがない、ということ。