ぼくらのストロベリーフィールズ
「は? バカじゃないの? ナ、ナズと似た声の人なんていっぱいいるでしょ?」
明らかにナズちゃんは動揺し始めた。
追い打ちをかけるように
「他にも証拠あるんだよねー」と尚紀くんがスマホを手にした。
画面には、グループラインでシェアしたナズちゃんたちの写真。
私の机にゴミを突っ込んでいる画像も、こっそり撮ってみんなに送っていた。
「……へー。じゃあナズは何すればいいの? 脱げばいい?」
ナズちゃんは開き直ったのか、いつもの口調に戻った。
ヒュウガくんが「ウホッ……脱いじゃう?」と喜んだため、一吾くんにスパーンと頭を叩かれていた。
私は、薄い笑みを浮かべたナズちゃんと向き合った。
みんなが協力してくれて嬉しかったけど、最後は自分で何とかしたかった。
「もう私にかかわらないでほしい」
「はぁ? もともとナズを裏切ったのはそっちでしょ?」
「別に裏切ってないし。勝手に被害妄想しないでくれる?」
「うっそー。そういうこと言うの? まじムカつく! ナズのことなんだと思ってるの!?」
「友達だって思ってたよ。でももう二度とかかわりたくない!」
「はー? 友達って。ナズはそんなこと思ったことないしー。まじウケるんすけど!」
へらへらと手を叩いて笑うナズちゃん。
バカにしたような態度に腹が立った私は、いったん深呼吸をしてから。
「何で一吾くんに告んないの? 好きなんでしょ?」
と彼女に問いかけた。