ぼくらのストロベリーフィールズ



「のばらちゃん来たよー」


尚紀くんがリビングの扉を開ける。



「おじゃましま……」


そう言って、部屋の中に入ろうとしたが。



えーーー!?



そこには、一吾くんの他、高校生から大学生くらいの男たちがいて。


床に転がっているのは、ビールの空き缶とスナック菓子で。


タバコの煙がもくもくと漂っていて。



――完っ全に不良のたまり場じゃないですか? これ!



「うおーリアルJK! マジ可愛いじゃん」


「こっち来てこっちー! 一緒に飲もうよー」



ガタイの良い男と怖そうな男に手招きをされた。



「あ、あはは……」と後ずさりをすると、

「未成年に勧めるんじゃねーよ」と、顔を少し赤くした一吾くんが言う。



「お前だって未成年じゃねーか。このクソガキー!」



怖そうな男にスナック菓子を投げられ、ガタイの良い男に金髪をぐちゃぐちゃにされる一吾くん。



いじられている一吾くんは、目を細め、無邪気な笑顔になっていた。



男たちのじゃれあう様子があまりにも楽しそうで、

思わず噴き出してしまった。



あれ? 思ったよりもここ、怖くないのかな?




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