ぼくらのストロベリーフィールズ



「ほらのばらちゃんも座って」



尚紀くんが後ろから私の両肩に手を添え、男たちの輪に入れてくれた。


緊張と怖さでドキドキしているけど、不思議と嫌ではない。



一吾くんがこんなに笑っているの、昔、見たことあったっけ。



「のばらちゃんも飲んじゃおーよー。お兄さんが美味しいの買ってくるし」


「えー、私飲んだことないですから!」


「ほら、いまどきの女子はカシスだべ。いや、やっぱ定番のカルーアか?」



お酒か。どんな感じなんだろう。


って、いやいやいや私未成年!



男たちがワイワイ騒いでいる中、


「のばらちゃんはこれね」と、尚紀くんがこそっと囁き、オレンジジュースをくれた。


「あ、ありがとう」


うわ、尚紀くんって、気遣いできるし優しいし、これ絶対モテ男だよ!


今は若干酒臭いけど……。



聞くと、ここに集まっているのは同じバイトの仲間で。


忙しい時期が終わり、仲の良いメンバーで打ち上げ中らしい。

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