ぼくらのストロベリーフィールズ
それからのばらの父にお願いをした。
彼女が家で1人の時は、僕の家で預からせてほしい、と。
嬉しそうに僕の家に来るのばらが愛おしかった。
僕のバイト先で働き始めていたことには驚いたけど。
でも、一緒にいることが次第に苦しくなった。
それまでは、セクハラめいた発言で、彼女をからかって楽しんでいたけど。
料理を作る後姿や、僕を見つめる可愛らしい顔や、
もそもそと同じ布団に入って来る気配、隣に感じる温もり、シャンプーの甘い香りとか。
ふとした瞬間に、自分の心臓がせわしなく鳴り、
思考が、体が、彼女を求めてしまうようになった。
僕にとって性行為は快楽のためだけのものであり、
やった女は一緒に気持ち悪いことをしている共犯者としか思えなかった。
別々で寝ようとのばらに伝えると、彼女は1人で泣いていた。
きっと僕にバレないよう、必死に声をこらえながら。
後ろから抱きつきたい衝動にかられたが、無理やり目を閉じて睡眠欲が勝るのを待った。