ぼくらのストロベリーフィールズ


どのように決着をつけるか、のばらにも相談しようと思ったが、


その前に事件が起きた。



『やべ、のばらちゃんどこにもいない』


『あの女とどっか行くの、D組のヤツが見たって!』



急いで学校中を探し、何かの鍵を手にしたその女を見つけた。



僕を見つけるなり慌てて後ろに手を隠し、一緒に帰ろう~とほざいた。



腹が立ち、無理やり鍵を奪い取った。


それはあまり使われない体育倉庫のものだった。



返してとうるさかったため、尚紀に鍵をポーンと投げた。



嫌な予感がすると言って、尚紀はそのままダッシュで倉庫の方へ向かってくれた。



『やだ! 離して! 言いつけるよ! ナズ悪いことしてる知り合いいるし!』


『あっそ』



僕はその女を無理やりひきずり、倉庫へ連れて行った。



のばらは無事だった。


そして、僕が思う以上にタフだった。



どうやってこの女をシめようか考える前に、2人でののしり合いを始めていた。


一言ごとにマイクを床に叩きつけるような内容で、思わず笑ってしまった。



結局、そのままケンカになり、のばらが勝った。



決定打になった彼女のミドルキックは、僕が道場で習ったものと同じくらいの迫力だった。



いつか、力くんの試合をのばらと見に行ける日が来るといいな、と思った。



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