ぼくらのストロベリーフィールズ
「一吾ちゃんって、細いのに意外と力あるんだよ」
「よ、ふりょー少年!」
「うるせーな。お前らだってそーだべ」
「俺はもう卒業したしー。悪いことしてもモテねーもん。結局は顔だしー」
「あ、あははは」
「こら! のばらちゃん今笑ったでしょー!」
みんなタバコを吸っているし、見た目は怖いんだけど、いい人っぽい。
一吾くんも心を許している感じがする。
「で、一吾ちゃーん。のばらちゃんとはどんな関係なの? 彼女?」
お酒のせいか顔を赤くした1人が、
そう言って私と一吾くんをニヤニヤ顔で見た。
私は慌てて、幼なじみみたいなもんですよ! と言おうとしたけど。
一吾くんは、私にちらりと視線を向けこう言い切った。
「……のばらは、おれの初恋の人」
――え?
反射的に、一吾くんに目を向けると、
彼はふっと口元を緩めた。
どくんと大きく鼓動が鳴り、喉が詰まってしまう。