ぼくらのストロベリーフィールズ
初恋……。
そうだったんだ。
フゥ~とか、ウホーとか、更に騒ぎだす輪の中、私と一吾くんの視線が絡み合う。
離れ離れだった7年間分の距離が、胸の切なさとともに、ぎゅっと縮んだような気がした。
みんな明日も学校やバイトがあるため、日が変わる頃に解散した。
一吾くんは私を家まで送ってくれることになった。
「まさかまた会えるとは思ってなくて。びっくりしたよ! 高校も一緒だし」
「あの部屋貸してた人がちょうど出て行ったから。使わせてもらうことにした」
久しぶりに2人で話すと、昔一緒にいた思い出が今と重なり、嬉しい気持ちになった。
見た目や性格は大分変わったようですが。
7年前よりも新しい家が増えた、静かな住宅街を進む。
「のばらは元気だった?」
「まあ。普通に過ごしてるよ。一吾くんは?」
「そのうち話すよ。いろいろ」
あの頃よりも低い声で、ぼそりぼそりと言葉を選ぶような話し方。
彼が口を開くたびに、意識を全て持っていかれるような感覚になる。
もっと一吾くんと話したいな……。
でももうすぐ家に着いてしまう。
寂しい気持ちからか歩く速度をゆるめると、
一台の車が家の前に停まっていることに気がついた。