ぼくらのストロベリーフィールズ



色々話したり、スマホをいじっていると眠くなってきた。


明日お母さんが起きる前に家に帰れば、きっと外泊したことはバレないはず。



「布団1つしかないし。一緒に寝とく?」



気がつくと、一吾くんに近い距離で見つめられていた。


もちろんドキッとしてしまう。



「えっ!? いや、その、私そのへんで適当に寝るから! ほら、突然転がりこんじゃった感じだし! ね!」



やばい、顔赤くなってるかも。うわー恥ずかしい。


急いで目をそらすと、一吾くんはぷっと吹き出したようで、床に映し出された影がふわりと揺れた。




「悪いってー、私がそっちで寝るよ」


「いいよ、おれどこでも寝れるし。おやすみ」



結局、私が布団を借りて、一吾くんは毛布にくるまって眠ることに。



「……おやすみ」



この言葉を発したのは、いつぶりだろうか。






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