ぼくらのストロベリーフィールズ







「ねーねー見た? A組に超好みの人いたんだけど! 何か事情があって昨日から学校来てるらしくて」



次の日。


母にバレないよう早朝に家に帰り、いつも通り学校へ行くと、

興奮した様子でそう話す、ナズちゃんの姿があった。



「あ、うちも見たー。金髪の人でしょ? ちょっと怖そう……」


「えーそこがいいんだって! 顔もすげー綺麗だし! まじやばすぎ!」


「でも……早速、A組の誰かのことシメたんでしょ?」



朝からキャピキャピと話す女子たちのはじっこで。


早速、一吾くんの存在がナズちゃんに知られてしまったようで、

私は心をざわつかせていた。



「ねー聞いたよ~、のばらちゃんの知り合いなんでしょ?」



ギクーッ!



「知り合いっていうか、昔、家が近所だっただけだしー」


「ナズも仲良くなりたーい。のばらちゃん紹介して~」


「あ、あははー」



笑ってごまかしたところで、

ちょうど先生が教室に入ってきてくれたため、この場は解散になった。



これ、絶対言えない。


昨日、一吾くんのうちに泊まったとか、絶っ対言えないって!



てかナズちゃんの推しメンって、尚紀くんじゃなかったっけ?



めんどくさいことにならなきゃいいんですけど……。




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