ぼくらのストロベリーフィールズ
でも、一吾くんはそのまま私のことをじーっと見つめているようで。
「…………なに?」
恐る恐るそう聞くと、彼は私とキッチンを交互にじろじろ見た後、
「いい景色かも」とぼそっとつぶやいた。
「どういうこと?」
「女に料理作ってもらってる景色」
「え? ちょっと、何言って……!」
再会してそんなに経っていないのに、普通に家に上がり込んで料理まで作っている自分。
よく考えたら、
何なんだ、この状況は!?
かーっと顔が熱くなり、ぼとりと流しにいもを落としてしまう。
ちらっと上目で彼を見る。
しかし、整った綺麗な顔がすぐ近くにあったため、再び視線をそらすはめに。
「ちょ、見すぎ……」
「次は制服にエプロンしといて。裸にでもいいけど」
「……は? バカじゃないの!? てか暇なら手伝ってよ!」
顔や頭からプシューっと蒸気を上げる勢いで怒ると、
はいはいとダルそうな表情で返事をされた。