ぼくらのストロベリーフィールズ
3-1
☆
一吾くんの家と自分の家を行ったり来たりな毎日が続く。
そんな中、5月になり、
高校最初の中間テストが近づいてきた。
「ねーねー今度この4人でどっか旅行でも行こうよー」
みんなで懸命にテスト範囲を復習している中、彼女は1人だけテンションが高い。
「俺バイトあるしなー」
教科書から目を離さずに、尚紀くんが答える。
一吾くんは無言のままスマホをいじり始めた。
「あはは、ほら今はテスト前だし。落ち着いたらね」
なぜか私がフォローをするはめに。
ようやくナズちゃんは口を尖らせながら、まーそうだよねーと諦めてくれた。
この4人でのファミレス勉強会。
頑張ってセッティングしたまではよかったものの、いざ本番になると微妙な空気が漂いつつあった。
「何か飲み物持ってくるけど?」
「あ、私も行くよー」
尚紀くんが気を利かせてくれたので、私もついていくことにした。
ナズちゃんと一吾くん。
絶対、合わなさそうだと思うけど、せっかくだし2人きりにしてあげないと。