ぼくらのストロベリーフィールズ
☆
「一吾ーこれの続きねーの?」
「それ最新刊」
「まじかー! 久々にヤンジャン買ってくっかー」
一吾くんの家は、時々、不良のたまり場になっていた。
同じ学校の悪そうな人の他、前に一吾くんにやられたヒュウガくんもその中にいる。
うう、制服にタバコの臭いがついちゃうよ……。
私もその輪の中でファッション雑誌を読んでいたけど、
派手な先輩女子たちがキャピキャピと部屋に入ってきたため、微妙に興ざめしてしまった。
「一吾ちゃーん。ピザ買ってきたよー」
「あー。どーも」
一吾くんは早速、モテているようだ。
今日はご飯とか心配なさそうですね。
「私、帰るね」
「メシは?」
「家で食べる」
一吾くんは根元が黒くなってきた金髪を触りながら、私を見た。
「…………」
「今日、最後だから」
私はそう伝えた後、一吾ちゃーん、と呼ぶ女の子の声をBGMにして外に出た。