ぼくらのストロベリーフィールズ
そのまま、クラスの女子たちと駅ビルでだべってから帰った。
他の女子とは上手くやれそうだけど、ナズちゃんといると少し疲れるかも。
だけど、
彼女は私のことを気に入ってくれているようだ。うーん。
まあ、同中の友達少ないし、
せっかくの高校生活をみんなで楽しく過ごしたいし、上手くやっていかないと。
「ただいまー」
父の20年ローンで買った建売住宅。
家に入ると、ドタバタと出掛ける準備をする母とすれ違った。
濃いアイシャドウに、オレンジのチーク、キツめの香水。
最近、外出時の母は、おかしな方向に頑張っちゃっている感が出ていて、若干イタい。
「あれ、お母さん今日パート?」
「見れば分かるでしょ。あんたのご飯準備してたら遅刻だよ、もう!」
「あそう……。いってらっしゃい」
居間のテーブルには、ラップに包まれたおにぎりが2つ。
どうせ、メイクするのに時間がかかっただけでしょ。
スーパーの品出しパートのくせに。