ぼくらのストロベリーフィールズ
高校生活が始まって、まだ2か月くらいしか経っていない。
友達と楽しい日々を送りたいし、漠然とだけどやっぱり彼氏も欲しい。
ナズちゃんの噂は少し聞いたことがある。
見た目は良いし、男の前では上手くふるまうから、もちろんモテる。
でも、昔からチヤホヤされてきたゆえに、性格がゆがんでいる部分があるとのこと。
例えば、あまり可愛くない子がクラスのモテ男と付き合った。
次の日からその女の子は徹底的にハブられ、
次第に、それはいじめにつながっていったとか。
理由は、ナズちゃんもその男子を狙っていたから。
クラスの仲の良い友達は、この前のナズちゃん主催の合コンのおかげで彼氏ができた。
きっと、彼女には逆らわないだろう。
むしろナズちゃんの味方だ。
「そうだ! 一吾くんと集まれる機会、また作ろっか」
「本当~? ありがとー!
あ、そうだ、もしのばらちゃん、尚紀くんと付き合いたいんだったら、あたしの知り合い使って、上手くくっつけてあげるよ」
「いやいやいや、違うって! 確かに尚紀くん格好良いし、いい人だけどー」
表面上では2人でキャピキャピしながら、教室に戻った。
心の中は、緊張でいっぱいだったけど。
一吾くんは幼なじみで、家族みたいな存在。
ナズちゃんにそう理解してもらえるわけ……ないよなぁ。
重いため息をつきながら、自分の席に着く。
スマホを見ると、尚紀くんからラインが来ていた。
『のばらちゃん、明日ヒマ?』
明日か……。
一吾くんはバイトだし、ちょうど予定もない。
でも、突然、何だろう?