ぼくらのストロベリーフィールズ
『どうせあーゆー要領よくて金もあるヤツらがさー、中学でも高校でもモテて、いい大学入って勝ち組になるんだべ? あー、うらやましい限りっすぅ~』
くちゃくちゃとガムを噛みながらそうつぶやいたのは、
ようやくできた気の合う友達、准クン。
クラスの男子がDSや漫画の話をしている中、いつもぼけーっと外を見ているヤツだ。
『や、あんだけ親が出しゃばったら逆にダルくない? 成績とか部活とか全部口出しされそうじゃん』
公園のベンチに寝転び、准クンにそう話しかけると、
『確かにー。んで、結果、1人じゃ何もできない隠れクズが完成ーってやつ?』
と言って、彼はゴミ箱から抜き取ってきた漫画雑誌を読み始めた。
それをのぞき見ると、
ちょうどえろいシーンだったため、僕は視線をすっと灰色の空へと向けた。
准クンのお兄さんは超頭のいい私立中学に通っている。
自分は落ちこぼれだと言っていた。
時々言動にゲスさを感じる時もあるが、一緒にいると楽だった。
どこか自分と似たような雰囲気を感じたからかもしれない。