ぼくらのストロベリーフィールズ
数日後、再びあの3人組に河川敷に呼び出された。
『……っ!』
今回は大人しく攻撃を受けることにした。
また面倒くさいことにならないように。
また母に迷惑をかけないように。
最初はザコ2人に両腕を押さえられていたが、僕が抵抗しないとわかったのか、腕をほどき、そいつらも後ろから蹴りを入れてきた。
歯を食いしばって痛みに耐えた。
別に悲しくはなかった。
逆にこいつらは哀れだなと思った。
同時に、自分は強くなったなと改めて感じた。
しかし、次第にボスも疲れてきたのか、息切れをしながら足元の小石を拾った。
そして、野球のピッチャーばりのフォームで、それを投げつけようとした。
さすがにこれは当たったらやばいかも、と思い、目をつぶった時。
『ねーねー何してんのー?』
『へー楽しそうなことしてんじゃんー』
という声が川の音に紛れずに、その場に響き渡った。