KISSしてダーリン。




「~~悔しくないの!?カイくんがあんたの隣にいなくなるんだよ!?」


「……」


「カイくんに騙されて、悔しくないの!!?」



――――――……


カイに、騙されて……?



そうか、私、騙されてたんだ。


キスしてって迫る私を見て、心の中で大爆笑してたんだ。


記念日だからって気合い入れてイメチェンしてた私が滑稽でしかたなかったんだ。


なんだそれ


ふざけんな


ふざけんな



「……悔しい」


「うん!」


「悔しい悔しい悔しい悔しい!!!!!」


「よし!じゃあ…」


「別れる!!!」


「………は?」



ナツの一言にミカは目を見開いた。


別れる。もう、別れる。


ついさっきまで、考えたこともなかった。


でも今は、その一択しかないと思う。



浮気する男なんてもう知らない。大嫌いだ!!


乙女心の分からない男なんてもう知らない。大嫌いだ!!



そう……自分に言い聞かせる。



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