KISSしてダーリン。




半ばヤケクソで叫び散らす。あぁ、無様だ。


「…別に意味はない」



全くもって興味がないのか、持っていた本に目を戻した。


さすがに、私の胸にも不安が広がる。


「し、したいと思わないの…?」


「ん」


あっさり即答しやがった。本に目を向けたまま。


そして私の怒りのボルテージはMAXになった。



「…カイの、カイの、…カイの馬鹿―――!!!」


「っ!」


傍にあったクッションを思いっきり投げつけて部屋を飛び出した。



なにそれ、なにそれ、なにそれ!!


したくないって、何なのよ!!



ズカズカと歩きながら心の中で悪態をつく。


チラリと後ろを振り返るも、追ってくる様子ナシ。


あーあーわかりましたよ!どうせ私は魅力ありませんよ!!


くそう、今に見てろよこんにゃろう。

絶対に『キスしたい』って言わせてやるんだから!!


──そしてその日、私は逆襲を決意した。



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