KISSしてダーリン。
ぎりぎりと奥歯を噛み締める。
高橋奈都(ナツ)
女子たちを虜にする、学園の王子様の…一応、彼女である。
一応ってなに!一応って!ちゃんと彼女ですから!はい!
キス…というか手も繋いだことありませんけどね!?
ちっぽけなことに突っかかるほど、せっぱつまっているらしい。
明らかにやばいオーラを発するナツに、何事もないように近づいてくるカイ。
「おはよ」
「……おう」
腹からドスのきいた声が出た。
「機嫌わる。朝飯食えよ」
「ご飯3杯しっかり食ってきましたけど!?」
「デブ」
「は!だって茶碗こんなだもん、こんな。赤ちゃん用みたいな」
両手を茶碗にたとえてカイの目の前に突き出す。届いてないとか禁句だからな?
「はいはいデブの言い訳」
「腹が減っては戦はできぬ!だろ!」
「誰と闘うんだよ…」