KISSしてダーリン。
「……ゼェ、ゼェ、ハァ」
「……」
「お、おあよう」
「こんにちは」
人の上げ足を取るのが大好きな嫌見たらしいこの男に、いつも通り目が笑っていない笑顔で出迎えられた。
「ごめん、待たせて」
「別に。いつものこと」
く…っ
さっきまでニヤニヤしてたキャラじゃない自分をぶん殴りたい…っ
息をようやく整えて、膝に置いていた手を戻してカイを見ると
…ううう
相変わらず、キラキラしてる……
水色のケーブル編みニットに白いゴツめの腕時計
斜めにかかった体にフィットする小さめのカバン
黒いスキニーパンツが長い足をさらに強調している。
私服を見るのは初めてではないけど、スタイルが良いためよく映えるなと改めて思う。
「……なに、じっと見て」
ハッ!!い、いや、別に、見惚れてたわけじゃないから!!