神様になりました
伊月は何を出すのか悩んでいる様だった
俺は何を出すのか気になっていた
12体の魔獣…それも最も神に近い魔獣、聖獣を召喚し、使い魔にしている
何が出ても会場は騒つくだろう
そして伊月が悩んだ末に召喚した魔獣は神級最上位の魔獣……グリュプスだった
見た事とない魔法陣がフィールドに浮かび上がり、グリュプスの魔力に共鳴したのか、空気が揺れている様に見えた
会場は一気に騒ついた
1度も見た時の無い魔獣が、神に最も近い魔獣…聖獣が、今、目の前にいる
それにグリュプスは、人を毛嫌いしているから滅多に人前に現れない
だから、使い魔にするなんて前代未聞の話だ
先輩も観客席も全員そう思っていた
そして先輩が、伊月に聞いた
「あ、貴方!グリュプスを使い魔にするなんて、どんな汚い真似をしたのよ‼︎?」
普段の先輩なら、決して、こんな事を言わないだろうが、今は、それどころでは無かった
散々、馬鹿にされて、使い魔勝負でやっと勝てると思っていたのに、伊月が出した魔獣は聖獣でしかも、滅多に人前に現れない貴重な魔獣、となるとあーも言いたくなるだろう
先輩の問いに答える前に、グリュプスが、先輩の問いに怒ってしまった
伊月はグリュプスを宥めながら、前に助けてそのお礼として使い魔になった、と言った