恋に落ちるその瞬間



イヤな予感しかしない。
当たって欲しくない、この予感に震えが止まらない。


ルイ……。

ねぇ、ルイ……。


あなたを失いたくないーー。







『ルイちゃん』


『んー?』


『相談が、あるんだけど……』



そして季節が流れて寒い冬。


放課後に訪れたカフェでふたりで大好きなココアを飲んでいた時。


ついさっきまで楽しく最近あった面白かったことなんかを話していたのに。


頬をほんのりピンク色に染めたユウに忘れかけていたイヤな予感を思い出させた。




『あのね、僕……


好きな人が、できたんだ……』





『…………』




頭をガツン!と、殴られたような衝撃が脳内で走る。



え……え……え?



ウソ……だよね?



なにも、言えない。

なにも、言葉が出てこない。



一瞬で頭が真っ白になった。



ウソだと言ってよ……。



お願い。



なんでもする。
なんだってするから……。




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