恋に落ちるその瞬間
その願いだけが私の中で残った。
そう思えるまでにすごく時間がかかった。
ユウ……聞いてくれる?
私の気持ち。
あなたが好きですって、真っ直ぐな気持ち。
*
「おっはよー!」
ザワザワ賑やかな学校。
卒業式に浮き足立つ生徒たちにまじって、私はものすごく緊張している。
だって……!
今日私は、ユウに……。
「どうしたの、ルイちゃん?」
「わ、わわっ!ユ、ユウ!?」
いきなり私の目の前に現れたユウに心臓が飛び出るかと思った。
そんな私のことを心配そうに見つめて来るユウ。
「お腹痛い?」
「い、痛くないよ?」
「ほんと?」
「ウソつかないよ」